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仏足石

お釈迦様の象徴として考え出されたもののなかに仏足石があります。仏足石は仏足跡とも書かれます。

仏の三十二相(好相・瑞相)のうちのひとつに「足下千輻輪相(そっかせんぷくりんそう)」があって、 足の裏に転法輪が表されています。これはお釈迦様が説法をされるために諸国を巡錫されて、 そこにあらたな法の輪が連なるというまさに足跡なのであります。

35歳で仏陀となられた後、涅槃を迎えられる80歳までの45年間、 お釈迦様は夏安居(げあんご:雨期のため一定期間、同一場所に留まって修行すること)を除き、 国王、信者に招かれ、実に広範囲にわたって説法をされ、多くの人々を教化されました。

お釈迦様入滅後おおよそ500年の間は、お釈迦様を直接表す偶像は造られることはありませんでした。 その代わり法輪、宝座、傘蓋、菩提樹、そして仏足石等がお釈迦様を象徴するものとして、 礼拝の対象となりました。

仏足石信仰はセイロン(現在スリランカ)、ビルマ(現在ミャンマー)、 タイなどの東南アジアに伝播したいわゆる南方(伝)仏教や、中央アジア、 中国、朝鮮半島、日本と、また、ネパール、チベット、蒙古に伝播した北方(伝)仏教にも共通してみられます。

玄奘三蔵法師が646年に著した『大唐西域記』にマガダ国の人々が仏足石を礼拝・供養している旨、 また、中国からインドへ求法の旅に出た僧侶たちも礼拝したと記載されている仏足石があって、 7世紀における中央アジアでの仏足石信仰を窺うことが出来ます。

その仏足石を幸い私は平成10年、 奈良国立博物館において開催されました特別展「ブッダ展―大いなる旅路」で 現物を目の当りにすることができました。往古には求法僧しか礼拝できなっかたものを、 現実に本物と接することができた感動を今も忘れることができません。

我国でも奈良・薬師寺に有名な仏足石が伝来しています。金堂に安置されております。 この仏足石には銘文が刻まれておりまして、それによりますと、 唐の王玄策が鹿野苑(ろくやおん:サールナート、お釈迦様が初めて説法をされた聖地)にある 仏足石を長安の普光寺に写し伝えたものを、 遣唐使として唐に渡った黄文本実(きぶみのほんじつ)が転写して請来した図様によって、 天平勝宝5年(753)に造られたことが解り、 制作年代が明らかな遺品として大変貴重なもので国宝に指定されています。

こちらの方は中学校の遠足で薬師寺に行ったとき拝観した遠い記憶しかありませんので、 改めて礼拝したいと思っております。




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