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梵音具

法会、儀式などに用いる仏具のうち、音の出るものの総称を梵音具(ぼんのんぐ)と言います。梵鐘(釣り鐘)、鰐口、鐃(にょはち)、木鉦、木魚、錫杖、磬(けい)、法螺、(けいす)、太鼓、引(いんきん)などです。材質や形状により音に違いがあり、目的によっても使い分けされます。

 梵鐘といえば当山には「弁慶の引き摺り鐘」(奈良時代、重要文化財)、「朝鮮鐘」(高麗時代・太平12年、重要文化財)、「三井晩鐘」(桃山時代、県指定文化財)が伝来しています。特に三井晩鐘は、音色の素晴らしさが有名で、日本三名鐘のひとつにもなっています。「残したい日本の音百選」にも選定されています。あとのふたつの鐘の音は聞いたことがありません。弁慶鐘は割れ鐘で撞くことができませんし、朝鮮鐘は架ける鐘楼がなく、県立琵琶湖文化館に寄託しています。大きさや形、撞座の位置からして、おそらく高い音がするのではないかと想像します。

 鰐口(わにぐち)は神社仏閣の正面軒先に架けられていて、お詣りの際、シュロで編んだ綱や鈴緒で打ったあと、柏手や合掌をして礼拝します。「もしもし」、「ねぇちょっと」と、神や仏に話しかけのきっかけを手助けしてくれる梵音具と思えばいいでしょう。

 鐃(にょはち)の鐃は銅鑼、は西洋楽器のシンバル、というより麦わら帽子の形を思い描いてくだされば結構です。共に銅製です。鐃は周縁が直角に立ったお盆のような形で、紐で吊り下げ、バチで打ちます。は円盤形をしており、左右の掌に持ち双方を打合せ、あるいは摺り合わせて音を出します。打ち方は宗派によって異なるようです。

 大津市が全国で10番目の古都指定を受けたことを記念して「天台三山声明(しょうみょう)
公演が、昨年11月28日、大津市の主催で開催されました。天台三山、つまり天台宗総本山延暦寺、天台真盛宗総本山西教寺、天台寺門宗総本山三井寺に伝わる声明(仏教音楽)を聞いて戴こうというものでした。同じ天台系でありながら、唱えられる音律の違いに視聴者は驚きとともに興味を抱かれたことだと思います。声明は聴く機会も少なく、まして三山が一堂に会して演じることは初めてのことでした。

 延暦寺も西教寺も鐃を使った声明を披露されました。三井寺は今回、と磬を使用しました。鐃の打ち方に三山変わることはなかったのですが、は声明同様、三山三様で大変興味深いものでした。

 私が今回声明公演で使用しましたを納めている木箱の蓋と、包んである布には「智証大師御将来鐃 一双」と書かれております。大変由緒あるです。(梅村敏明)




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