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三十三というキーワード

観世音菩薩を信仰することにより、七難、三毒、二求の功徳が得られることは三回にわたってお話してまいりました。観世音菩薩は現世利益を我々衆生に与えてくださる代表的な仏さまです。

観世音菩薩はさまざまの身に化身されます。その理由は、救いを求める人が、どのような姿・身分で説法を受ければ一番効果的であり、かつ実効的であるのかを見極め、即座にその姿に化身して救ってくださるのです。

では、どのような姿・身分に化身されると観音経に説かれているかを列記してみましょう。

仏 辟支仏 声聞 梵王 帝釈 自在天 大自在天 天大将軍 毘沙門 小王 長者 居士 宰官 婆羅門 比丘 比丘尼 優婆塞 優婆夷 長者の婦女 居士の婦女 宰官の婦女 婆羅門の婦女 童男 童女 天 竜 夜叉 乾闥婆 阿修羅 迦楼羅 緊那羅 摩睺羅迦 執金剛神です。

経文には、
若有国土衆生(にゃくうこくどしゅじょう) 応以仏身得度者(おういぶっしんとくどしゃ) 観世音菩薩即現仏身(そくげんぶっしん) 而為説法(にいせっぽう)
(若(もし)し国土ありて、衆生の、応(まさ)に仏の身を以って度(すく)うことを得べき者には、観世音菩薩は即ち仏の身を現わして、為に法を説くなり『法華経』岩波文庫)とあります。以後は仏身が辟支仏身、声聞身、梵王身等々となります。

前記しました仏から執金剛神までを数えてみてください。三十三になりますでしょう。この三十三がキーワードです。平安時代に観音巡礼をした三井寺の僧、行尊、覚忠は経文に示された観世音菩薩の化身数三十三に因んで、三十三ヶ寺を選定し、巡礼、巡拝したのが現在の西国三十三所霊場なのです。

そして、三十三所霊場寺院のうち、ご本尊を秘仏としてお祀りされているお寺でも、三十三年ごとにご本尊をご開帳されるお寺が多いのも、化身数の三十三に因んでのことなのです。十四番霊場の当山のご本尊・如意輪観世音菩薩さまも三十三ごとのご開帳と定められています。

しかしながら、仏教の解釈としまして、上述しました三十三身にしか化身しないのかといいますと、そうではありません。大神力をお持ちの観世音菩薩さまですから、経文に示された三十三身はほんの一例であって、本来は無限無数の身に化身されて、我々衆生を済度してくださると解釈します。あらゆる職種、あらゆる身分に化身可能です。そうした拡大解釈をしますと、あなたの身の周りの人々、私の身の周りの人々はもしかすると観世音菩薩が化身して助けの手を差し延べてくださっているのかもしれません。

(梅村敏明)

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