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塗香と焼香

私達が法要を執り行う際、先ず塗香(ずこう)を左手の手のひらに取り、右手の人差し指と中指で少し摘んで、身(しん)(額=身体)口(く)(口=言葉)意(い)(胸=心)の三処に塗って清めます。そして胸の前で両手を揉むようにし、最後に指を交差させて左右に引き離します。身口意が清められて始めて仏具を手にすることが出来ます。

塗香はインドで生まれました。これはインドが熱帯のため、汗の臭いや体臭を消すことに端を発します。それが転じて身を清めることに使われたものと考えられます。まさに字のごとく塗るお香なのです。

塗香の原材料は白檀、丁字(フトモモ科の常緑樹の花の蕾を乾燥させたもの)、桂皮(けいひ)(クスノキ科ケイの樹皮を乾燥させたもの。ニッキ・シナモン)、龍脳(フタバガキ科リュウノウジュの材を蒸留し結晶させたもの)、大茴香(ういきょう)(セリ科ウイキョウ属の多年草の実を乾燥させたもの)などです。それらを薬研(やげん)で粉末になるまで挽き、ベースとなる椨(たぶ)の木の樹皮の粉末に加えます。

これらは漢方薬でもありますから口にしても何ら問題ありません。そして全てが芳香性を有していますから、塗香を身に付けることによって爽やかな清涼感も得られるのです。
次に焼香ですが、これは塗香と違って粉末ではなくチップ状です。焚いて芳香を出すことが主です。白檀を中心に塗香でも使用された桂皮、丁子、そして山奈(さんな)、藿香(かっこう)などが原材料です。

立ち昇る煙が堂内を漂い、清めると共に参詣者の気持ちを落ち着かせ、心豊かにしてくれます。芳香は天界まで通じて諸仏・諸菩薩を供養します。

人はそれぞれ香りの好みが違います。甘い香り、辛い香り、爽やかな香り、こくのある香り。原材料の配合次第によって、自分好みの焼香に仕上げることも自在です。

去る3月24日、別格本山であります讃岐金倉寺におきまして、智証大師御生誕1200年慶讃大法会・大曼荼羅供が奉修されました。その出仕記念に金倉寺様より戴きましたのが、最上級の沈香(じんこう)の焼香でした。(梅村敏明)

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