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内なる餓鬼

春秋の彼岸やお盆に各寺院で勤修される施餓鬼法要は、 『救抜焔口餓鬼陀羅尼経(ぐばつえんぐがきだらにきょう)』によると、 苦界に堕(だ)し常に飢えに苦しんでいる者(餓鬼)に食物を施す法要で、 お釈迦様のお弟子である阿難尊者が行ったのに始まると言います。 法要では、種々の飲食(おんじき)を供えた施餓鬼壇と呼ばれる祭壇を設け、 五智如来を拝し、三界の万霊をお迎えし、秘密の真言をお唱えします。 この供養により有縁無縁の苦しむ者すべてを安楽の境地へと導き、 その功徳をめぐらすことによって先祖の供養ともなる有り難い法要です。

昔から慈悲心に乏しく、貪欲な悪業を積み重ねた者が、 報いとして死後に地獄、餓鬼道に堕ちると言われますが、中国の天台智者大師様は、 『摩訶止観』の中で餓鬼の貪りの一つに、本当は徳などないのに名声を欲したり、 ひとりで自分は偉いと思いこんでいるような心も餓鬼に入ると示されています。

名利や権勢に溺れ、野心で人脈を拡げることに汲々としている人も 現世(うつしよ)の餓鬼の姿に他なりません。 経文にも「意(こころ)をほしいままにすることなかれ」とあるように、 私達も折あらば頭をもたげてくる内なる餓鬼を治めたいものです。

遊心庵主・岡部善惠





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