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観音さまと私

今年は智証大師生誕千二百年に当たり、西国札所の如意輪観音さまが十月十八日からご開帳される。私は観音さまとお会いすると、ことばでは言い表せない特別な思いにかられる。

祖母から聞いた話だ。私が生まれる前、母は子供を産んだが、産後すぐに亡くなってしまった。次こそ丈夫な子供が生まれるように、毎日お地蔵さんにお祈りしたという。やがて双子を授かり、母は出産のため実家の三井寺に帰った。時に昭和五十三年、観音さまが三十三年ぶりにご開帳されていた。母は「一人だけでなく二人も子供を授けてくれてありがとうございます。どうか無事出産させて下さい」と観音さまに祈ったそうだ。それが私たち兄弟である。

その母は、亡くなってもういない。観音さまを前にすると、今の私よりもずっと若かった母の姿が浮かんでくる。

観音さまは優しい顔をされている。平安時代から何百年ものあいだ変わらない姿。母が祈った観音さまと同じ姿。観音さまは、いまも母と私をつなぐかけがえのない架け橋そのものである。


西坊信祐



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