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明治の求法僧 慧海(三)

ネパール経由でチベット入国を決断した慧海ですが、ダージリンから直ちに西に向かってネパールに行けば、チベット語を勉強していて入国の機会を窺っていたことを知られているので、身の危険を回避するため、急用ができて帰国するといって、カルカッタに向けて出発しました。明治三十二年(1899)一月五日のことでした。この時、慧海は次の一首を詠んでいます。

  いざ行かんヒマラヤの雪ふみわけて
  法の道とく国のボーダに

  ボーダとはサンスクリット語で、チベットのことです。
  カルカッタで旅支度を調え、お釈迦さま成道の聖地ブッダガヤに寄り、お釈迦様と同じく菩提樹下の金剛宝座で坐禅をしています。その感想を「実に愉快の感に耐えなかった」といっています。ブッダガヤには二日間滞在し、北に向かってネパールとの国境の町、セゴーリを経て入国しました。ネパール入国に際して、慧海はチベットにいるシナ人として通行券を発給されています。ジャングルを数日間進み、首都カトマンズに入り、ボダナート寺院に寄宿しています。筆者も12年前、ボダナート寺院を参拝しました。丘の上に建つ大変立派な寺院で、ネパール国内にある最大のチベット仏教寺院です。

  慧海はボダナート寺院に参拝に来るチベットからの巡礼者に、チベットの首都ラサへの公道ではなく間道の有無を尋ねています。その結果、いくつもの間道があることがわかりました。しかし、いずれの間道も最終的には関所を通過しなければチベット入国は不可能であることもわかりました。そこで大変な回り道になるけれども、ネパールの秘境、トルボ地方にあるロー州(ムスタン)に出て、間道の峠を越えれば関所を通過しないで鎖国のチベットに入国できると判断しました。

  ポーター二人と、それに巡礼の六五、六歳のお婆さん(慧海の記述)、護衛者の五人で三月の初めカトマンズを出発しました。『チベット旅行記』には「一日坂を上っては、また一日下ると言うようなぐあいで、およそ三四〇キロ、十日がかりでポカラと言う山間の都会に着いた」と記しています。 筆者の場合は、飛行機でわずか40分足らず、カトマンズからポカラに移動しました。

  ポカラは大変美しい町です。ダウラギリ、アンナプルナ、マチャプチャレなど8,000メートル前後の山塊が天に聳え、ペワ湖にその影を映していました。山好きの人ならたまらない光景でしょう。そうでもない私でさえも、その迫力と神々しさに圧倒されたことを覚えています。(梅村敏明)




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