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心をとどめる

数年間、生えるにまかせた怠りの庭は鳥の楽園。廊下から手がとどく杉の木で鵯(ひよ)が四羽の雛を育て、縁側からは、身をかがめて覗きこむ程低い椿の葉陰で、雀より小さな鳥がボール半分程の巣で子育てを終えた。鳥達への悪条件を詫びつつも年内を目標に庭の整備にふみきった。

作業の応援は共同作業所・若鮎の家の皆さん。コツコツ、黙々、寒くても愚痴もこぼさず私語もなく、教わったことを丁寧に根気よく、まるで修行僧の作務の姿勢。只気持ちの面で対人恐怖やひきこもりがちであったりしても、地域社会に溶け込んで共同作業が務まる方達で、所長さんや指導員の方の穏やかさが全体の風となってそよいでいる。己れ生えの間伐、立ち枯れ、朽木、倒木まで取除き、スッキリと様変わりしても、鳥達は普段どおりの囀り。私はといえば、何をしながらも次の事柄に向け、こころは右往左往。あの方達のように、去ったあとも静かでやすらかな風がそよいでいるであろうか。否。まだまだとても。

祖玄/掃除をする/雑巾になりきって/ハイ!!
『杉浦祖玄詩集』より


遊心庵主・岡部善惠



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